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虫歯菌はうつるか?

お母さんのお腹を出たばかりの新生児の口の中はほぼ無菌状態です。腸内の細菌も棲んでいませんし、口の中に歯はなく虫歯菌もいません。それが1本、2本と歯がはえてくるに従い色々な細菌が口の中に棲み始め、その中に虫歯菌も含まれてきます。それらの菌は赤ちゃんのごく近い環境からうつったと考えるのが普通です。
ですのでお母さんは赤ちゃんがかわいいからとむやみにキスをしたりすると細菌をうつしてしまうことになるので、ほどほどの愛情表現を考えたほうがよろしそうです。

 しかし一度口の中に細菌の棲み分けが完成した後では、例えば虫歯のひどい人とキスをしたことで他の人の虫歯がひどくなることはありません。また、大人になってからでは、どんなことをしても口の中に棲む多種類の細菌の中から虫歯菌だけを締め出すことも出来ないのです。生物の世界の不思議さと複雑さを感じます。虫歯は生命にかかわらない病気のため軽く見られがちですが、子孫に害を伝えないように自分の口の中の虫歯菌を減らすのと同時に、口うつしで赤ちゃんに食べ物を与えるようなことはさけるなど、先手、先手の虫歯予防を実践する必要がありそうです。



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