皆さん、こんにちは。川越のまつむら歯科クリニックです。
入れ歯を使用している患者さんの中には、「夜寝るときも入れ歯をつけたままで大丈夫？」と疑問を持つ方が多くいらっしゃいます。日中は快適に過ごせていても、夜間の使用が口腔内にどのような影響を与えるのか気になるところです。今回は、入れ歯を眠るときに外した方がよい理由と、例外的に入れ歯をつけたまま眠った方が良いケースについて詳しく解説します。
入れ歯を眠る時に外す理由
入れ歯を装着したまま寝ると、口腔内の環境が悪化しやすくなります。以下のような理由から、基本的には眠る前に入れ歯を外すことが推奨されます。
1. 口腔内の清潔を保つため
入れ歯を長時間装着し続けると、唾液の循環が悪くなり、細菌が繁殖しやすくなります。特に、部分入れ歯を使用している場合は、残っている歯の周囲に細菌が蓄積しやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。睡眠中は唾液の分泌量が減少するため、さらに口腔内が乾燥しやすくなり、細菌の増殖を助長する要因になります。
2. 口腔内の組織を休ませるため
入れ歯を長時間使用すると、歯茎や粘膜に圧力がかかり続けます。これにより、血流が悪くなり、歯茎の健康が損なわれることがあります。夜間に入れ歯を外すことで、歯茎や粘膜を休ませ、健康な状態を維持しやすくなります。特に、総入れ歯の患者さんは、歯茎への負担が大きいため、就寝時に外すことが重要です。
3. 誤嚥（ごえん）を防ぐため
入れ歯を装着したまま寝ることで、無意識のうちに入れ歯が外れてしまい、誤って飲み込んだり、気道に詰まったりするリスクがあります。特に、高齢者や寝ている間に口呼吸をする方は、誤嚥のリスクが高まるため、夜間は入れ歯を外して安全に眠ることが推奨されます。
4. 入れ歯の寿命を延ばすため
入れ歯は、適切なケアを行うことで長持ちします。夜間に入れ歯を外し、専用の洗浄剤で清掃することで、細菌や汚れの蓄積を防ぎ、入れ歯の変形や劣化を抑えることができます。長期間にわたり快適に使用するためにも、夜間の適切なケアが欠かせません。
入れ歯をつけたまま眠った方が良いケース
基本的には、就寝時には入れ歯を外すことが望ましいですが、一部の患者さんにとっては、夜間も装着を継続した方が良い場合があります。
1. 新しく入れ歯を作った直後
入れ歯を作ったばかりの段階では、歯科医師の指示のもと、一定期間装着したまま過ごすことがあります。これは、入れ歯が適切にフィットするかどうかを確認し、噛み合わせの調整を行うためです。ただし、この期間が過ぎたら、基本的には夜間は外しておく方が良いでしょう。
2. 無歯顎（歯が一本もない状態）の方で、顎の形が変化しやすい場合
無歯顎の方は、入れ歯を長時間外すことで、歯茎が収縮しやすくなることがあります。そのため、一部のケースでは、顎の形が大きく変化しないように、入れ歯をつけたまま寝ることが勧められることもあります。しかし、これも歯科医師の判断によるものであり、自己判断で装着し続けるのは避けましょう。
3. 睡眠時無呼吸症候群の方
一部の研究では、総入れ歯を装着することで、舌の位置を適切に保ち、気道を確保しやすくなる場合があると報告されています。特に、睡眠時無呼吸症候群の方では、歯科医師の指示のもとで入れ歯を装着したまま寝ることが有効な場合があります。
まとめ
基本的に、入れ歯は眠るときに外した方が、口腔内の健康を保ちやすくなります。細菌の繁殖を防ぎ、歯茎を休ませ、誤嚥のリスクを低減するためにも、就寝前には入れ歯を外し、適切なケアを行うことが大切です。ただし、新しい入れ歯の使用開始時や、顎の形の維持が必要なケース、睡眠時無呼吸症候群の治療の一環として装着を推奨されることもあります。川越で歯医者をお探しの方は、当院までお気軽にご相談ください。適切な入れ歯の使用方法を一緒に考え、快適な生活をサポートいたします。
