歯周病は慢性疾患です。長期間の経過観察には患者さんの治療参加が必須ですが、患者さんの性格や価値観といったパーソナリティや患者さんをとりまく周囲の環境が「治療の正否」に影響を与えることになります。慢性疾患の原因とは①原因は複数の要素から成り立っている、そして複数の危険因子が複合して作用することも多い②単一の原因が見つからない③潜伏期間が長い、病気の発症に先行する出来事と発病との間の期間が長いため相互の関係を明らかにするのが困難である④発症時期が確定しにくい、多くの慢性疾患の発症は緩徐でありいつから病気になったのかをはっきり決めるのは困難である⑤慢性疾患の経過は種々の外部要因によって変化する、生活環境やストレスが疾患に影響を与えている とあります。つまり長年の生活習慣が1つの原因となり生活改善とともに上手につきあっていくということになってきました。そして歯周病が永続的であること、完全治癒がなく徐々に悪化していく可能性があることを踏まえると治すというより悪化させない、悪化の速度を遅らせる。変化を見逃さないということが大切になってきます。