新聞などで取りざたされている、歯科医院の衛生管理
(2014年5月18日読売新聞より)
「え?歯を削る機械って使いまわしているの?!」
いいえ、当院では、使い回しはいたしません。
また、その歯を削る機械も、ドイツ製の高性能滅菌機で「滅菌」します。
新聞記事のように、医療機関に来て、器具に細菌やウイルスがついたまま次の患者さんに使用して、病気を持ち帰っては、本末転倒です。
最も大切なことは「万が一」があってはいけないということです。
滅菌は、最低限の「安心」の担保です。
滅菌って何?
当医院では『超滅菌主義』を掲げ、患者様のお口の中に入るあらゆるツールを、患者様一人一人に対し、全ての治療器具の滅菌を行っております。
(「滅菌技士」によって指導を受けています。)
「歯医者さんで使う道具って、どんな風に消毒しているのかしら?」
「消毒」ではないのです、当院が行っているのは「滅菌」です。
似ている言葉ですが、意味が違います。
では、滅菌・殺菌・除菌とは、どのような違いがあるのでしょうか?
「滅菌」と「殺菌」「除菌」の違いって?
滅菌(めっきん):細菌やウイルスを、完全に死滅・除去する
殺菌(さっきん):病原性を持った菌やウイルスを、ある程度減らす
除菌(じょきん):細菌数を減らす
どうやって滅菌するの?
歯医者さんへ行くと、パックされた治療道具が出されます。
その中でも、滅菌が最も大変な治療器具は「タービン」です。
「タービンって何?」
あの「キュイーン」と音のする歯を削る道具です。
中が複雑な仕組みをしているので、滅菌はとても大変なのです。
タービンの仕組みはこうなっています。
- 1.ユニット(診察台)の脇にある機器から圧縮した空気を送る
- 2.内部の翼を回転させる
- 3.タービンの先端を回転させ、歯を削る
体の中で一番硬い組織のエナメル質(歯の一番表面)を削るタービンの回転数は、どれくらいかご存知ですか?
1秒間に5000~8000回転という超高速回転なのです。(ちなみに先端はダイヤモンドです)
それだけ高速で回ると、摩擦熱が歯に伝わって痛みになるため、歯を削ると同時に、水も出る構造になっています。
「回転させながら水を出す」という、とても複雑な機械なので、清掃がとても難しいのです。
当院採用の「DACユニバーサル」はタービンの中まで「滅菌」します~そのプロセス
当院にあるタービン洗浄のための機械「DACユニバーサル」はドイツ製の高性能滅菌機で、ヘッド(タービンの先の回るところ)の中まで滅菌します。
かなり高額な滅菌システムのため、まだまだ導入率が低い滅菌機です。
まつむら歯科クリニックでは、どのように「滅菌」をするためにどうしているのでしょうか?
なかなか見ることが出来ない、歯科医院のバックヤードを細かく取材してみました。
STEP.1
ダックユニバーサルにタービンをセットします。
STEP.2
機械にセットして、16分滅菌します。
STEP 3
DACユニバーサルの中では、下記のような流れで、タービンの外側はもちろん内部の滅菌を行います。
A.水回路洗浄
B.注油
C.外部洗浄
D.内・外部滅菌
STEP.4
滅菌したものを、このようにパックします。
STEP.5
パックしたものを滅菌します
STEP.6
このように患者様のところにセットされます。
コップや手袋など使い捨て出来るものは、使い捨てにします。
その他の対策は?
治療時に使う器具は、タービンだけではありません。
多種多様な治療道具が歯医者さんにはあります。
ミラー(鏡)やスケーラー(歯石を取る道具)など仕組みが簡単な機器は、下記のような手順で滅菌します。
洗浄→すすぎ→乾燥→滅菌→乾燥→保管
なかなか見ることのできない「根の治療のための道具」ですが、これも滅菌を徹底しております。
すべては患者様の安心のため
医療機関である以上、清潔であることは最低限の責務です。
でも「どのように滅菌されているか?」までは、なかなか開示していません。
また、患者様が自分自身で出来る防御策はないに等しく、「滅菌してほしい」「大丈夫なの?」と言いづらい・聞きづらいことだと承知しております。
「こういう手順でやっている」という事が分かれば、安心できます。
もちろん、分からないこと、不安なこと、遠慮なさらず聞いていただければと思います。