川越の歯科(歯医者)まつむら歯科クリニック 一般的な治療からインプラント、審美治療などの専門的な治療まで行っております。

噛み合わせと認知症予防

2025年(もう5年後)には、65歳以上の高齢者5人に1人が認知症に達することが見込まれています。(厚生労働省の推計、出典:2015認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン – 厚生労働省)

「自分が認知症になったら・・」と想像したら、怖くて寝られなくなります。
認知症にならないためには、どうしたらいいのでしょうか?
楽しいおじいちゃんおばあちゃんライフを過ごすためには、どうしたらいいのでしょうか?

実は、ガンを予防するように、認知症にも予防の方法があるのです。

「え?!どこの病院に掛かればいいの?」
それはなんと、歯医者さんなのです!

「え?なんで認知症予防が歯医者さん?」
実はそのカギは「噛み合わせ」に隠されています。

「噛み合わせ・・・そういえば奥歯が一本抜けているけれど、別にどうってことないだろう・・」

残念ながら、そうではないのです。
歯が一本ないだけでも、噛み合わせが崩れてきてしまうからです。

「でも、どうして認知症と噛み合わせが関係あるの?」
当院の院長は噛み合わせ調整の専門家です。
餅は餅屋、噛み合わせの事は噛み合わせ専門家に聞きましょう。

1.口を刺激することによって脳が活性化する

口(歯・舌・唇)の表面積は、身体全体の1/10しかないのです。
でも、口を含めた首から上に関することに使っている大脳の部分は、なんと大脳の半分なのです!

運動野(筋肉に働け!という信号を出すところ)・感覚野(感覚を司るところ、噛んだ時の圧力を認識する)がそれに該当します。
生まれたばかりの赤ちゃんは、おっぱいを飲むときから口を使います。
なので、生きていくために口の関する脳の領域は広がったのです。
「口を刺激すること」は、「大脳の半分を刺激すること」になるのです。

極論ですが、手足がなくても生けていけますが、歯が亡くなって口が使えなくなったら生きていけません。
口からの栄養摂取は生まれてから死ぬまで続きます。

2.血液を脳にいっぱい送り出す

歯と歯ぐきをつなぐ組織に、歯根膜(しこんまく)というクッションがあります。
(何を噛んだか?が分かるセンサーなど多くの役割を担っています。)
噛むときに歯がこの歯根膜が30ミクロン沈み込みます。
すると、その中にある血管が圧縮され、弁当に付いている醤油の量(3.5㎖)と同じ量が脳に送られるのです。
噛めば噛むほど脳が刺激され、フレッシュな血が送り込まれるのです。

3.アルツハイマー型認知症の原因物質アミロイドβ(脳のごみ)を増やさずに済む

2で見たように、脳に送り込む血液の量が増えれば、脳内の血液も淀みも少なくなります。
すると、歯周病菌がだす「脳のゴミ」を増やさずに済みます。
「歯周病菌と、脳のゴミの関係あるの?そもそも脳のごみって何?」
こういう仕組みです。

歯周病菌が出す炎症物質「サイトカイン」が脳に流れ込む

アミロイドβ(タンパク質=脳のごみ)が増える

海馬(記憶を司る部分)に少しずつたまり、圧迫する

脳細胞が死滅

歯周病菌を減らすことが、アミロイドβそのものを減らすことなのです。
広島大学の研究や名古屋市立大学大学院の研究で明らかになっています。

4.認知症専門の先生が、歯のない人ほど認知症の確率が高いと認識している

認知症専門外来の医院さんに、歯医者さんで使う診察台があるそうです。
しかもその先生は「全ての医療機関に歯医者さんや衛生士さんが常駐してもいい」と言っています。
なぜそんな事を思ってしまったのでしょうか?

認知症専門のクリニックの患者さんは、歯がない人(総入れ歯の人)の割合が非常に高いからです。
東北大学大学院の研究では、脳が健康な人の歯の本数は15本、認知症の疑いありは10本。
名古屋市立大学大学院の研究では、アルツハイマー型認知症の高齢者は、健康な人の1/3しか歯が残っていない、また歯が抜けたままにして、さらに40~50代の早期で歯を失っている人が多いのだそうです。

「歯なんて一本ぐらい抜けていても・・」と思いますが、歯を抜けたままにしておくと、歯抜けのドミノ倒しが起こり、噛み合わせが崩壊し、噛むことがままならなくなるのです。

出典:認知症専門医が教える! 脳の老化を止めたければ歯を守りなさい!
長谷川 嘉哉(かんき出版)

噛み合わせと認知症の関係、お分かりいただけましたでしょうか?
噛み合わせを調整することは、認知症予防以外にもメリットがあります。
「あとどんなメリットがあるの?」
代表的な4つの事をご紹介します。

A.歯周病予防

噛み合わせを調整して、歯をたくさん残すと、歯周病予防になります。
歯周病は、大人の8割の人が罹っている生活習慣病の一つです。
歯周病は下記の病気を引き起こします。

狭心症・心筋梗塞/脳梗塞/糖尿病/妊娠性歯肉炎/低体重児早産/誤嚥性肺炎/骨粗鬆症

ご覧のとおり、歯周病は万病のもとです。
どれにもなりたくないですし、命に別条がある病気も多く含まれています。
歯の事で死んでしまうのです。
院長インタビューへ

B.一生にかかる医療費が減る

Aで見たような病気に歯周病がキッカケでなれば、当然病院に行く回数も増えます。
歯周病を予防することで、間違いなく生涯医療費が少なくなります。
病院にお金をかけるくらいなら、旅行やおいしいものなど楽しい事にお金を掛けませんか?

C.口臭が減る

口のくさい人は嫌われますが、実は口臭の原因の9割は歯周病なのです。

D.好きなものが食べられる

噛み合わせが整っていれば、いくつになっても自分の好きなものが食べられます。
それは大きな喜びでもあり、さらに噛む回数が増えるので脳が活性化するといういいスパイラルが生まれます。

E.寝たきり予防にもなる=ふらつかずに立っていられる

安定した姿勢を保つには、抗重力筋(こうじゅうりょくきん)つまり、重力に抗う筋肉をつけることが大事です。
抗重力筋の一つが、噛むときに使う「咀嚼筋(そしゃくきん)」です。
身体のバランスが崩れた時には、抗重力筋を働かせて体制を立て直すのです。
転びやすくなる理由は噛み合わせにもあり、転んで大腿骨骨折をすると寝たきりになることもあります。

いかがでしたでしょうか?
噛み合わせを治すことのメリットは口の中だけにとどまらず、脳、身体、内臓と全身におよび、まさに口の健康を保つことが健康な身体を保つ秘訣だという事をおわかりいただけましたでしょうか?

まつむら歯科クリニックでは、「噛み合わせ」というアプローチからあなたの楽しいおじいちゃんおばあちゃんライフを送るお手伝いが出来たらうれしいと考えています。

口のためだけでなく、全身の健康のために、心配事があればぜひご相談ください。

院長先生は噛み合わせが専門とのことなのですが。

僕はもともと噛み合わせの先生に教えてもらいました。
「あ、これ楽しい!」って思ったんですね。

噛み合わせが崩れている患者さんは、健康を害しています。
眠れない、体力がなくなる、噛めないから食べ物も飲みこんじゃって消化不良になるという「負のサイクル」に陥ります。
さらに、口臭もある、化粧もしない、とウツの様相を呈するまで進むこともあります。
ところが噛み合わせを治すと、それらが改善していきます。
なので、認知症やうつの予防になり、寿命も延びます。

病院には「医科」と「歯科」がありますが、どうして昔から歯科だけ歯科なのか?
だって、歯がないと食べられないんです。
だから別なんです、歯医者は大切なのです。

僕は、歯医者が大好きなんです。
治療がキッカケで来院されても、「元気でいるためには歯が大事だ」とわかってもらえれば予防でちゃんと来てくれます。
うちは、削って詰めておわりではない歯医者です。
後ろ向きな治療じゃなくて、前向きな治療、つまり予防が大好きなのです。
治療がキッカケでそのあと予防に来てもらえると、本当にうれしいですね。

噛み合わせに関して分からない言葉があるのですが、咬合平面(こうごうへいめん)ってなんですか?

噛んだ時の平面、例えば下敷きとかを噛んでまっすぐな状態ならいいんですけれど、グニャって曲がっちゃう人は平面がズレているんです。

右と左と高さが違うとか。

そうです。
そうすると、歯がない人は噛みグセ、例えば左の歯がないと右の歯ばかりで噛むので噛み合わせが崩壊したり、下の歯がない場合は上の歯が落ちてきたりします。
落ちてくるだけでなく、抜けた前後の歯がズレてしまう。
それが、体調を悪くしたりや肩こりがつながり、脳の刺激にも影響を与えるんです。

キチッとした噛み合わせがあることで、バランスを取ってフラつかずに立っていられます。
フラつかないために大事な筋肉が抗重力筋(こうじゅうりょくきん)で、その一つが咀嚼筋(そしゃくきん)です。
よく、転んで骨を折ったことことで寝たきりになるって話を聞きますよね?
フラつかないために、歯の治療をして噛み合わせを整える、つまり咀嚼筋をキチンと使える状態に整えることが大事なんです。

そうなんですね・・・歯が1本抜けただけでも、放置しちゃダメなんですか?

はい、残念ながら駄目なんです!
放置した時間が長くて、すごく歯が斜めになってから来る方もいらっしゃいます。
抜かないといけない状態になっているケースもあります。
もし、歯が抜けた時点で歯医者さんに行っていたら(歯が斜めになることを)防げたわけだから、人生も変わっていたんです。
人生のトラブルを予防するために歯医者さんに通ってほしい・・・その歯医者さんが僕のところであったら本望です。

抜けた時点で相談してもらえたら対処できたのに、抜けたのを放置していたために他もダメになって、口の中だけでなくて身体も具合悪くなる・・・。

そうなるのが見えている、このまま放置したら、こうなるという患者さんの未来が見えるんです、予言できちゃうんです。
患者さんが納得してくれて、噛み合わせを治して、人生変えられたら、僕もやりがいがあります。
患者さんも「治療してくれてありがとう」という世界があるので、すごく楽しいです。
この話をしていて楽しいなと思うのは、そういう患者さんと出会えることですね。

先生が診てきた患者さん中で、違う人生になった人もいらっしゃるんですね。

そういう患者さん、山ほどいます。
みなさん「歯では死なない」と思っているんです。
体に関することは人間ドックとか健康診断とかに行って予防に気を遣うのに、何で歯科ドックには来ないか?というと、「歯では死なない」と思っているからです。
「歯で死なない」だけでなくて「こういう人生歩みたいですか?」という話なんです。

患者さんが「痛いんです」って歯医者へ来て、治療して終わりの歯医者さんではダメなんです。
歯医者は、その辺をもっとアピールしないといけないんです。
歯の事が体に関わるなんて説明受けていないから、患者さんが分かるはずがないですよね。
僕は話が長いので、スタッフから「院長早く終わってください」と言われちゃいます、ずっと話しちゃいます。
その人も人生相談なんか始まっちゃったりして。(笑)
こういう話すると楽しいですよね。

実際いるんですよ、うちの患者さんで。
「抜かないといけないと言われたけど、どうしようか」と考えたので、ウチに来てくれたら抜かないで済んだ。
噛み合わせがズレた状態でブリッジを作っても治りませんから、まずはそちらを治してブリッジをしたらスゴイ噛めるようになった。
出戻りの患者さんもいますよ、スタッフにもいますが。(笑)
患者さんも、毎回同じ歯科医師、衛生士に診てほしいですよね。

そうなんです!

これから30~40年一緒に歩む患者さんが集まれば、歯医者もつぶれないし(笑)お互いにメリットありますよね。

歯医者は国家資格です。
国から認可を受けて「頑張ってやってください」って頼まれてやっているのです。
僕の歯科医師としての使命は、川越の患者さんを救うことです。
患者さんも大事にしてくれるなと思える歯医者さんなら、同じ歯医者さんに通いますよね。

患者さんは先生についていくし、先生は患者さんを大事にするといういいスパイラルですね!しかも長い方がいい、この人に一生診てもらえるという「安心感」は何にも代えがたいですね、患者サイドからすると。

ちなみに、もう認知症になっている方にも噛み合わせを調整やお口のお手入れは有効です。
認知症の患者さんの社会性は保たれます。
家族の言うことは聞かなくても、白衣の先生の言うことは聞くし、お口のケアの気持ちよさを知れば、拒否しません。

もしかしたら認知症かもしれない、なら歯医者さんに行った方がいいって時代になるといいですね。

インタビュー:2019/5/15


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