歯周病について
気になる口臭や、腫れて黒ずんだ歯ぐき、歯ぐきからの出血・・・これらは歯周病が原因で起こる場合がほとんどです。
45~54歳代では、日本人のほぼ90%が歯周病という、まさに国民病で、生活習慣病でもあります。
歯の健康を脅かすだけでなく、見た目も悪く、におうので、相対して話す人にイヤな印象を与えます。
歯周病治療は結果的に口臭対策になります。
さらに、全身疾患に重大な影響を与えることも分かっています。
その1:歯周病とは
歯ぐきに起きる、化膿性の炎症、それが歯周病です。
痛みもなくジワジワと進行し、歯ぐきが腫れたり、口がくさくなったり、歯周病菌が歯を支えている骨を溶かす毒素を出し、歯を支えている骨がやせて歯がグラグラになり、最後には歯が抜けてしまいます。
歯が抜ける原因の一位は、虫歯ではなく歯周病なのです。
歯の喪失の原因
出典:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」
その2:どうして歯周病になるの?その原因は?
一番の原因は「歯の汚れ」です。
歯垢(しこう:食べかす)が歯と歯ぐきの隙間にたまると、その中にいるバイ菌が繁殖して歯周病を引き起こすのです。
そのほかにも、歯並びや噛み合わせの不具合、過度の歯ぎしりや精神的ストレスなども歯周病の原因と考えられています。
その3:歯周病と年齢の関係
中高年以降の人が圧倒的に多く、軽度の歯肉炎を含めれば成人の90%近くが歯周病といっても過言ではありません。
また、お菓子やジュースを取り過ぎる子供にも歯周病が多く見られます。
年齢にかかわらず、進行する前に予防することが大切です。
その4:歯周病の症状
以下のような順で症状が進行します。
- 1.歯を磨くと血が出る
- 2.歯肉が腫れる
- 3.口臭がある
- 4.歯が長くなったように見える(歯ぐきが下がっている)
- 5.歯と歯の間に隙間ができて、食べ物が入ってつまりやすくなっている
- 6.歯が動くようになり、よく噛めなくなる
- 7.歯がグラグラになり、抜けてしまう
その5:歯周病についての治療法や予防法
以下のような順で治療を進めます。
1.歯石を取り除く
専用の器具や、超音波が出る器具で、歯面についた歯石を取り除きます。歯磨きが正しく出来ていないと、除去した後もすぐに歯石は付着するので日ごろのケアに注意します。
2.手術を行う
歯周病がかなり進行している場合、病的な歯肉を手術により取り除くこともあります。
3.プラークコントロール
歯磨きで歯垢(プラーク)を歯に付着させないことをプラークコントロールと言います。
当院では、効果的な歯磨きの方法や食事のとり方の指導などを行います。
丁寧にお話ししますのでご安心ください。
4.PMTCを行う
PMTCとは「Professional Mechanical Tooth Cleaning:プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング」、つまり歯科医師や歯科衛生士が専用の器具を使って行う歯のクリーニングです。
歯ブラシでは取り除けない汚れまで徹底的にクリーニングし、仕上げにフッ素でコーティングします。
その6:歯が抜けるだけではない!全身に深刻な影響を及ぼす「歯周病菌」
いいえ、違います。
歯が抜けると、両脇の歯が倒れてくる、下の歯が抜けると上の歯が伸びてくるなどの影響を与えます。
それだけでも怖いですが、それよりももっと怖いことがあります。
歯周病の本当に怖さは、口の中だけでなくその影響が全身に行き渡ってしまう事です。
口の中にいる歯周病菌は、食べ物と一緒に飲み込まれ吸収、更に歯ぐきの毛細血管から血液の中に入り、全身に回っていきます。
その結果、下記の疾患の一因になっていることが最近の研究で分かってきています。
- 糖尿病
- 嚥下性肺炎
- 敗血症
- 心内膜炎
- 早産
- 認知症
- 心筋梗塞
誰もがなりたくない病気の引き金になるのは「歯周病菌」です。
歯が健康な人は、全身が健康な割合が高いのです。
当院が歯と歯ぐきのメンテナンスを通じてみなさまの健康維持のお手伝いができれば、幸いです。
【副院長桑野よりメッセージ】
歯周病は予防で防げるものなので、ならないようにしてほしい。
もともと予防に防げるところなのに、歯周病に掛かっちゃうとなかなか治らないし、完治は難しいのです。
とにかく予防で、なる前に来てほしい!です。
なっている人はしっかり対処します!